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危篤状態とは?家族が持つべき心構えと最優先ですべき対応とは

大切な人が危篤状態になったとき、家族は大きな不安や動揺に直面します。しかし、いざという時に冷静に対応するためには、事前に知識を持ち、心の準備をしておくことが大切です。

本記事では、危篤状態とはどのようなものなのか、家族が持つべき心構え、取るべき行動、そして最期の時間をどのように過ごすべきかを詳しく解説します。「何をすればいいのかわからない」と不安に思う方のために、具体的な対応方法や準備すべきことをまとめました。

この情報が、いざという時に役立ち、大切な人との時間を後悔のない形で過ごすための一助となれば幸いです。

危篤状態とは?定義と医師が判断する基準

「危篤」とは、医師が患者の生命が危険な状態にあると判断した際に使われる医学的な言葉です。一般的に、回復の見込みが低く、いつ容体が急変してもおかしくない状態を指します。家族にとっては、大切な人の最期が近い可能性を示す重要な知らせであり、精神的な準備や適切な対応が求められます。

危篤状態にある場合、患者は病院で集中治療を受けていることが多く、医師や看護師が24時間体制で容体を観察しています。また、自宅療養中の患者に対しても、医療チームが定期的に訪問し、適切なケアを行います。家族は、病院や医療関係者と連携しながら、患者に寄り添うことが大切です。

危篤とはどんな状態?医学的な定義

危篤の医学的な定義は、病気や怪我が進行し、生命維持が困難な状態を指します。具体的には、呼吸や心拍、血圧などの生命維持機能が著しく低下し、医療的な処置なしでは維持が難しい状態とされています。

主に以下のような状況で「危篤」と判断されることが多いです。

  • 重篤な病気(がん末期、心不全、脳卒中など)の終末期
  • 急性の疾患や外傷(心筋梗塞、脳出血、事故など)による重篤な状態
  • 高齢者や慢性疾患患者の急激な容体悪化

このような状態に陥ると、医師は家族に危篤の連絡をし、最期の時間をともに過ごせるように準備を促すことが一般的です。

危篤と判断される基準とは?

危篤と判断される具体的な基準には、いくつかの医学的指標があります。医師は、以下のような状態を総合的に判断し、家族に対して危篤であることを伝えます。

  • 意識レベルの低下:呼びかけや痛み刺激に対して反応がほとんどない
  • 呼吸機能の低下:呼吸が浅くなり、人工呼吸器が必要な状態
  • 血圧の極端な低下:生命維持が困難なレベルまで低下
  • 心拍数の異常:極端に遅くなる、または異常なリズムで脈打つ
  • 腎機能の著しい低下:尿の排出がほぼなくなる

これらの状態が見られると、医師は患者の容体を「危篤」と判断し、家族に連絡を取ります。医療機関によっては、家族にすぐに面会を促すこともあり、早めの対応が必要です。

大切な人が危篤に…家族が持つべき心構え

大切な人が危篤状態になったとき、家族は強いショックや動揺を受けることでしょう。しかし、そのような状況に直面したときこそ、冷静に対応し、患者に寄り添うことが大切です。

危篤状態において家族が果たす役割は、患者に安心感を与えること、そして最期の時間を後悔なく過ごせるようにすることです。そのためには、事前に心構えを持ち、状況を受け入れる準備が必要になります。

突然の危篤に備えて心を落ち着かせる方法

予期せぬ危篤の知らせを受けたとき、多くの人はパニック状態に陥りやすくなります。そんなときこそ、以下の方法で心を落ち着かせることが重要です。

  • 深呼吸をして気持ちを整える:焦る気持ちを抑えるために、ゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。
  • 情報を整理する:医師から伝えられた病状や治療方針を冷静に受け止め、何をすべきか考えます。
  • 周囲と協力する:一人で抱え込まず、家族や友人と連携しながら行動しましょう。
  • 患者に寄り添う時間を大切にする:最後の時間を穏やかに過ごせるよう、落ち着いた心で接することが大切です。

感情の整理ができずに戸惑うこともあるかもしれませんが、「今、自分にできること」を意識することで、少しずつ冷静さを取り戻せるはずです。

動揺しないために知っておくべきこと

危篤状態に直面したとき、家族が動揺しすぎると適切な対応ができなくなることがあります。事前に知識を持っておくことで、心の準備ができ、いざというときに落ち着いて対応できます。

  • 危篤の意味を理解する:「危篤」は必ずしも死を意味するものではなく、回復の可能性がある場合もあります。焦らず医師の話をしっかり聞きましょう。
  • 医療スタッフと連携する:どのような治療が行われるのか、今後の方針を確認し、医師や看護師と連携して対応します。
  • 必要な連絡先を整理しておく:緊急時に連絡するべき家族や親族の連絡先を事前にリストアップしておきましょう。
  • 持ち物を準備する:病院へ向かう際に必要なもの(身分証明書、筆記用具、患者の保険証など)をすぐに持ち出せるようにしておくと、慌てずに済みます。

何よりも大切なのは、患者が安心できる環境を整えることです。家族が冷静に行動することで、患者も穏やかに過ごすことができます。

家族が最優先ですべき対応とは?

大切な人が危篤状態になったとき、家族は迅速かつ冷静に対応することが求められます。突然の知らせに戸惑い、動揺するのは当然ですが、適切な行動を取ることで、患者にとっても家族にとっても最善の時間を過ごすことができます。

ここでは、医師から危篤と告げられた際に確認すべきことや、家族が取るべき行動、関係者への連絡方法について詳しく解説します。

医師から危篤と告げられたらまず確認すること

危篤の知らせを受けたら、まず医師からの説明をしっかり聞くことが重要です。以下のポイントを押さえながら、患者の状態を理解しましょう。

  • 現在の容体:患者の意識の有無や生命維持に必要な治療、回復の可能性について確認します。
  • 治療の方針:これからどのような医療処置が行われるのか、家族が意思決定を求められるケースもあります。
  • 面会の可否:病院によっては面会時間や人数が制限されることがあるため、事前に確認しておきましょう。
  • 延命措置の希望:患者の意思を尊重しつつ、家族としてどう対応するか話し合う必要があります。

特に延命治療を行うかどうかは、患者の意向が最も重要になります。事前に本人の希望が確認できている場合は、それを尊重し、医師と相談しながら決定しましょう。

危篤状態で家族が取るべき行動リスト

危篤状態になった際、家族が優先して行うべきことを整理しておくと、冷静に対応できます。以下のリストを参考に、迅速な対応を心がけましょう。

  1. 医師からの説明を受ける:現状を正しく理解し、必要な対応を確認する。
  2. 患者に寄り添う:可能であれば手を握る、優しく話しかけるなどして、安心感を与える。
  3. 必要な持ち物を準備する:病院への持ち物(患者の保険証、診察券、筆記用具など)を整える。
  4. 関係者へ連絡する:親族や親しい友人に連絡し、面会が可能か調整する。
  5. 今後の対応を考える:延命措置、葬儀の準備、役所手続きなどについて話し合う。

また、患者が意識のある場合はできるだけ会話を交わし、安心させることが大切です。最期の時間を穏やかに過ごせるよう、家族もできるだけ落ち着いた気持ちで接しましょう。

親族や関係者への連絡の仕方

危篤状態になった際、どの範囲まで連絡するかを考え、必要な人に迅速に知らせることが重要です。

連絡するべき人の優先順位

  • 最も近い家族(配偶者・子ども・兄弟姉妹):すぐに連絡を取り、病院に集まれるよう調整する。
  • 親族(祖父母・叔父叔母など):患者と親しい関係にある場合は連絡を入れる。
  • 親しい友人や知人:本人の希望や状況に応じて連絡を取る。

連絡の際は簡潔に状況を伝えることが重要です。例えば、以下のような形で伝えましょう。

例:「〇〇さんが危篤状態になりました。現在、〇〇病院の〇〇科に入院しており、面会可能です。できればお越しいただけると幸いです。」

遠方に住んでいる親族には、病院の面会時間や今後の見通しを伝え、来られるかどうかの確認をするとよいでしょう。

連絡が完了したら、病院の状況を把握しつつ、患者のそばにいることを優先してください。適切な対応を取ることで、患者にとっても家族にとっても、悔いのない時間を過ごすことができます。

危篤状態で準備すべきことと注意点

大切な人が危篤状態になったとき、家族は冷静に対応し、必要な準備を整えることが求められます。突然の知らせに戸惑うこともあるかもしれませんが、あらかじめ準備すべきものや対応を把握しておくことで、より落ち着いた行動ができます

ここでは、病院や自宅での必要な持ち物リストと、延命治療や医療方針について家族で話し合うべきポイントについて詳しく解説します。

持ち物・準備リスト(病院・自宅)

危篤状態になった際、病院での付き添いや対応のために必要な持ち物を事前に準備しておくことが重要です。特に、患者の状態が急変した際にすぐ対応できるよう、以下の持ち物を用意しておきましょう。

病院に持っていくべきもの

  • 本人の身分証明書:保険証、診察券、マイナンバーカード(または運転免許証など)
  • 医療関連の書類:お薬手帳、既往歴やアレルギーの情報が記載されたメモ
  • 着替え・防寒具:患者用の着替え、病室の冷暖房に備えたカーディガンやブランケット
  • 日用品:歯ブラシ、タオル、ウェットティッシュ、リップクリームなどの衛生用品
  • 携帯電話・充電器:長時間の付き添いのために必要
  • メモ帳・筆記用具:医師の説明を記録するため

自宅で準備しておくべきもの

  • 親族・知人の連絡先リスト:必要な人に迅速に連絡できるように整理しておく
  • 葬儀に関する情報:事前に相談済みの葬儀社の連絡先や、本人の希望を書き留めたノート
  • 銀行口座・重要書類:今後の手続きに備え、通帳や印鑑、遺言書の保管場所を把握する
  • 生活必需品:長期間の付き添いに備えた衣類や食料

病院によっては、持ち込み可能なものが制限されている場合があります。事前に確認し、必要なものを的確に準備しましょう。

延命治療や医療方針について話し合うべきか?

危篤状態の患者に対して、医師から延命治療に関する判断を家族に委ねられることがあります。こうした決定は非常に難しいものですが、患者本人の意向を尊重することが何よりも大切です。

延命治療とは?

延命治療とは、患者の生命を維持するために行われる医療処置のことです。代表的なものとして以下のような治療があります。

  • 人工呼吸器の装着:自力での呼吸が困難になった場合に使用
  • 心肺蘇生(CPR):心停止時に行われる救命措置
  • 人工栄養・点滴:食事が取れない患者への栄養補給

これらの処置は患者の命を延ばすことができますが、回復の見込みがない場合、本人の意志に反した負担を強いることになる場合もあります。

家族で話し合うべきポイント

家族として、以下の点を話し合い、決定しておくことが大切です。

  • 患者本人が延命治療を望んでいたか
  • どこまでの治療を希望するか(人工呼吸器の使用、蘇生措置の有無など)
  • 回復の見込みがあるかどうか、医師の意見を確認する
  • 患者の最期をどのように迎えたいか(自宅か病院か)

もし患者本人がリビングウィル(事前指示書)を残している場合、それに従って判断するのが理想的です。そうでない場合は、家族全員で意見をすり合わせ、最もふさわしい決断をすることが求められます。

延命治療の選択は家族にとって非常に重い決断ですが、「患者の意志を尊重し、最善の選択をする」ことが何よりも大切です。医師や看護師としっかり相談しながら、納得のいく決断をしていきましょう。

危篤状態を迎えた家族のためにできること

大切な人が危篤状態になったとき、家族としてどのように接し、どのような言葉をかけるべきかは大きな悩みとなるでしょう。最期の時間を後悔しないために、できることを最大限に尽くすことが大切です。

患者が意識の有無に関わらず、家族の存在や声は感じ取れることが多いといわれています。穏やかで安心できる環境を整え、寄り添うことが、患者にとって何よりの支えになるでしょう。

最期の時間を後悔しないための接し方

最期の時間を迎えるにあたり、家族ができることは多くあります。ここでは、後悔を残さないための接し方について紹介します。

1. 穏やかな声で話しかける

たとえ意識がないように見えても、聴覚は最後まで機能すると言われています。患者が安心できるよう、やさしい口調で話しかけましょう。過去の思い出や感謝の気持ちを伝えることも大切です。

2. 手を握る・そばにいる

身体的な接触は、患者に安心感を与えます。手を握る、肩に手を置くなど、そばにいることを伝えるだけでも支えになります。無理に話しかけなくても、そっと寄り添うことが大切です。

3. 静かな環境を整える

大勢の人が話す環境や騒がしい音は、患者にとって負担となることがあります。できるだけ静かで落ち着いた空間を作り、穏やかな時間を過ごせるよう配慮しましょう。

4. 宗教的な儀式や音楽を取り入れる

患者が信仰を持っている場合は、お経やお祈りをすることで安心することがあります。また、好きだった音楽を静かに流すのも心を落ち着かせる効果があります。

お別れの言葉をどう伝えるべきか?

危篤の状態であっても、家族として大切な言葉を伝える時間があります。どんな言葉をかければよいのか、悩むことも多いですが、シンプルな言葉で気持ちを伝えることが大切です。

1. 感謝の気持ちを伝える

「今までありがとう」「お世話になりました」など、感謝の気持ちを伝えることは、患者にも家族にとっても大切な時間になります。特に、これまで素直に言えなかった気持ちを伝える良い機会です。

2. 労いとねぎらいの言葉をかける

「頑張ったね」「もう無理しなくていいよ」といった言葉は、患者に安心感を与えます。辛い思いをしてきたことを認め、寄り添う気持ちを伝えることで、患者も安心できるでしょう。

3. 「愛している」「大好きだよ」と伝える

普段はなかなか口にできない言葉ですが、最期の時間だからこそ伝えられる言葉でもあります。愛情をしっかり伝えることで、患者も心穏やかに最期を迎えられるかもしれません。

4. 許しと和解の気持ちを伝える

もし過去に誤解やわだかまりがあった場合、「ごめんね」「許してね」と伝えることも大切です。未解決のままではなく、お互いに心を軽くして最期の時間を迎えることができます。

どの言葉を選ぶかは、その人との関係性や状況によりますが、本心を込めた言葉を伝えることが何よりも大切です。

危篤状態の患者にとって、家族の存在は大きな支えとなります。最期の時間を後悔しないために、できるだけ寄り添い、心を込めた言葉を伝えましょう。

危篤状態の後の流れと対応

危篤状態を迎えた患者の容体は、安定する場合最期を迎える場合の2つの可能性があります。いずれの場合でも、家族が冷静に対応できるよう、事前に必要な準備や手続きを把握しておくことが重要です。

ここでは、容体が安定した場合の対応と、最期を迎えた場合に必要な準備・手続きを解説します。

容体が安定した場合の対応

危篤状態にあった患者の容体が安定する場合、引き続き適切なケアを続けることが大切です。医師の判断を仰ぎながら、回復に向けた対応を行いましょう。

1. 医師からの診断を確認する

まずは、医師から今後の治療方針や予後について詳しく説明を受けることが重要です。容体が安定しても、回復が見込めるのか、それとも一時的な安定なのかを確認しましょう。

2. 療養方針を決める

患者の状態に応じて、引き続き病院での治療を続けるか、自宅療養に切り替えるかを検討します。医師と相談しながら、患者の体調や家族のサポート体制を考慮した最適な選択を行いましょう。

3. 介護・看護体制を整える

回復の見込みがある場合でも、長期的な療養や介護が必要になることがあります。自宅での介護を希望する場合は、訪問看護や介護サービスの利用を検討し、必要な準備を整えましょう。

4. 心理的なサポートを行う

危篤状態を経て安定した患者は、精神的に不安を抱えていることが多いため、家族としての支えが大切です。無理に励まそうとせず、穏やかな声掛けや寄り添う姿勢を大切にしましょう。

最期を迎えた場合の準備と手続き

患者が最期を迎えた場合、家族は悲しみの中でも必要な手続きを進める必要があります。事前に流れを把握し、慌てずに対応できるようにしましょう。

1. 医師による死亡確認

病院で最期を迎えた場合、医師が死亡を確認し、「死亡診断書」を発行します。自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡し、診断を依頼しましょう。

2. 葬儀社への連絡

葬儀の準備を進めるために、あらかじめ決めていた葬儀社へ連絡します。まだ決まっていない場合は、病院の紹介や家族の意向に沿った葬儀社を探します。

3. 親族や関係者への連絡

親族や友人に、患者が最期を迎えたことを知らせます。連絡の際は、通夜や葬儀の日程も伝えられるように準備しておくとスムーズです。

4. 役所での死亡届提出

「死亡診断書」を受け取ったら、死亡届を市区町村役場に提出します。通常、葬儀社が代行してくれる場合もありますが、必要書類を確認しておきましょう。

5. 遺品整理や相続手続き

落ち着いたら、故人の遺品整理や相続に関する手続きを進める必要があります。財産分与、年金・保険の解約など、必要な手続きを事前にリストアップしておくと安心です。

家族が最期を迎えたとき、悲しみに暮れる中でも多くの手続きを進めなければなりません。事前に流れを把握し、サポートを受けながら進めることで、少しでも負担を軽減できるでしょう。

まとめ

危篤状態に直面したとき、家族ができることは多くありません。しかし、患者が安心して最期の時間を過ごせるように寄り添うことが何よりも大切です。

本記事では、危篤状態の家族に対してできる限りのことをするための心構えや対応策について紹介しました。大切なのは、冷静に行動し、後悔のない時間を過ごすことです。

また、最期を迎えた場合の準備や手続きについても触れましたが、これは決して簡単なことではありません。家族や周囲の人と支え合いながら、一つひとつ進めていくことが重要です。

本記事が、皆さまの心の支えとなり、少しでも役に立つことを願っています。

  • この記事を書いた人

浅田 尚行

「終活を身近に」を目標に掲げ、ライフエンディングに関するあらゆる疑問や不安を解消し、メリットやデメリットを分かりやすくお伝えすることで、新たな一歩を後押ししています。誰もが安心して未来を考えられるよう、わかりやすさと心に寄り添う情報提供を大切にしています。【資格:終活ガイド資格1級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士】

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