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葬儀費用は誰が支払う?香典でまかなえる?【結局は喪主が負担です】

葬儀費用は誰が支払う?

「お葬式といえば、葬儀費用がやっぱり気になる」

「でも、香典があるからそんなにシビアに考えなくても・・・」

親の葬儀を経験する前、私は費用について楽観的に考えていました。「多くの人が参列して香典が集まれば、費用の足しになるだろう」と、内心少し期待していたのです。しかし、香典を当てにして葬儀費用を甘く考えていると、後で痛い目に遭うことに気づきました。

結局のところ、葬儀には多額のお金がかかり、それを負担するのは喪主または施主です。この記事では、葬儀費用は誰が払うのかという問題について詳しく解説します。費用で失敗しないためにも、内容をしっかり確認しておきましょう。

香典の金額に関して知っておくべき3つのポイント

香典は葬儀費用を補う上で助けになりますが、その金額については知っておくべき重要なポイントがあります。相場や返礼品の慣習、そして集まる金額の予測の難しさを理解しておくことで、現実的な費用計画を立てられるようになります。

香典収入を過度に期待すると、予算オーバーを招く可能性があります。ここでは、香典の金額に関する3つの重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

香典の相場や目安

香典の金額に法的な決まりはありませんが、故人との関係性に応じた相場や目安が存在します。事前に確認しておくことで、いただく金額を大まかに把握でき、返礼品の準備などに役立てることができます。

例えばご自身の親の葬儀の場合、参列者からいただく香典は、関係性によって大きく異なります。以下の表に一般的な金額をまとめましたので、参考にしてください。

故人(親)との間柄金額
子ども50,000~100,000円
兄弟姉妹 30,000~50,000円
叔父・叔母30,000円
その他の親戚10,000~30,000円
友人やその家族5,000~10,000円
仕事関係5,000円
隣人や近所3,000~10,000円
その他お付き合い3,000~10,000円

表からもわかるように、故人との関係が深いほど香典の金額は高くなる傾向にあります。親族以外からの香典は10,000円以下がほとんどで、特に仕事関係や友人からは5,000円が一般的な金額です。

返礼品は「半返し」が基本

いただいた香典に対しては、感謝の気持ちとして返礼品を用意するのがマナーです。最近では、葬儀当日に返礼品をお渡しする「当日返し」が主流になっており、後日の手配の手間を省くことができます。

返礼品の金額は、いただいた香典額に応じて調整するのが一般的です。例えば、複数の品物を用意しておき、金額によって渡す品物を変えると良いでしょう。

5,000円の香典にはお茶とお菓子を、3,000円の香典にはお茶のみをお渡しする

返礼品の金額は「半返し」が基本とされますが、実際にはいただいた金額の3〜5割程度が目安です。5,000円の香典であれば、1,500円から2,500円相当の品物を選ぶのが適切です。

ただし、半返しを超える高額な返礼品は、かえって相手に失礼にあたるとされるため注意が必要です。相手の厚意を無駄にしないよう、相場を守ることが大切です。

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親族など近しい方や、10,000円以上の高額な香典をいただいた方には、返礼品とは別に通夜振る舞いなどの食事でおもてなしをします。しかし、予想外に高額な香典をいただく場合も考えられます。

その際は、当日返しとは別に、後日改めて品物を贈り、合計で半返しになるよう調整するのが丁寧な対応です。ただし、親族間ではお互い様として、追加の品物は不要な場合もあります。

香典の総額は予測できない

香典の相場や返礼品の仕組みを見ると、葬儀費用をある程度まかなえるように感じるかもしれません。参列者が多ければ、むしろ収支がプラスになるのではと期待する方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際に集まる香典の総額を正確に予測することは非常に困難です。故人の交友関係をすべて把握しているケースは稀で、最終的な参列者数は当日までわからないのが実情です。

親族以外の参列者数を正確に予測するのは、ほぼ不可能です。特に故人の会社関係や友人など、遺族が把握しきれていない交友関係からの参列者数は見当がつかないでしょう。

一つ私の父のお葬式を例に挙げると「仕事関係の人が予想よりも大幅に少なかった」ということがありました。元営業マンで多くの人と繋がりがあった父ですが、退職して10年以上も経つと、その関係の人はほとんど来ないということを身を持って感じました。

葬儀の準備では参列者数をある程度予測しますが、香典収入を過度に期待するのは禁物です。あくまで香典は補助的なものと考え、費用計画を立てることが大切です。また、最近増えている家族葬で香典を辞退するケースもあり、香典収入はさらに不確実になっています。

香典集めが目的ではない?新聞の訃報欄を活用する本当の意味

新聞の訃報欄に掲載すれば、より多くの方に訃報が伝わり、香典も集まりやすくなると考えるかもしれません。しかし、訃報欄の本来の目的は香典集めではありません。故人が生前お世話になった方々へ、もれなく訃報を伝えるための大切な手段なのです。

もちろん掲載は遺族の任意で、費用もかかります。故人の交友関係を遺族が全て把握できていない場合に、広く知らせるために活用されます。訃報掲載の目的を正しく理解しておきましょう。

新聞の訃報欄は、故人が生前お世話になった方々へ広く訃報を知らせるための手段です。遺族が把握していない故人の知人にも伝えることができます。もちろん掲載は任意であり、近年は家族葬の増加に伴い、掲載しない選択をする方も増えています。

訃報欄への掲載は基本的に有料です。料金は新聞社や掲載スペースによって大きく変動し、数万円から百万円を超える場合もあります。費用対効果を考え、掲載するかどうかを慎重に判断しましょう。

葬儀費用が最終的に喪主負担となる理由

葬儀費用は、最終的に喪主(または施主)が負担するのが一般的です。たとえ多くの香典が集まったとしても、それはあくまで一時的な預かり金に過ぎません。その理由を理解すれば、葬儀費用に対する考え方が変わるはずです。

香典は参列者からの相互扶助の気持ちの表れです。いただいた香典は記録しておき、将来相手方に不幸があった際に同額をお返しするのがマナーとされています。この「お返し」の慣習こそが、費用が喪主負担となる本質的な理由です。

葬儀記録書

葬儀では、「誰からいくら香典をいただいたか」を香典帳に必ず記録します。この記録は葬儀後も喪主が大切に保管し、今後の親族や近所付き合いにおける重要な資料となります。

将来、香典をくださった方の身内に不幸があった際には、香典帳を確認していただいた金額と同額を包むのが礼儀です。これが相互扶助の精神であり、日本の冠婚葬祭における大切な慣習です。

万が一、不幸があったことに気づかなくても、親戚や知人から知らされることも少なくありません。その際は、喪主として責任を持って香典を用意することになります。

このようにお付き合いが続く限り「お返し」の機会は訪れます。その時になって初めて、いただいた香典は一時的なもので、実質的には自分が費用を負担したのだと実感するのです。

このように喪主の役割には、葬儀後も続く金銭的な責任が伴います。役割の重さを理解しておくことが重要です。

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後悔しないために!葬儀で無駄な出費を防ぐ方法

葬儀費用は最終的に喪主が負担するため、無駄な出費は極力避けたいものです。しかし、費用を抑えることばかりに気を取られると、故人を見送る大切な儀式が残念なものになりかねません。後悔しないためには、費用と内容のバランスを考えることが重要です。

大切なのは、故人や遺族の希望に沿った葬儀を、適正な価格で実現することです。そのためには、信頼できる葬儀社を選び、要望をしっかりと伝えて納得のいく見積もりを取ることが不可欠です。事前の準備が、満足のいくお別れにつながります。

喪主は、早かれ遅かれ葬儀費用を実質的に負担する立場にあります。この事実を念頭に置いて葬儀の打ち合わせに臨めば、費用に対する意識が変わり、後悔のない選択ができるはずです。

これから葬儀の準備をされる方は、「葬儀費用は自分が支払うもの」という当事者意識を持つことが大切です。その上で、葬儀社の担当者と真剣に話し合いましょう。

ただし、単に費用を削ることだけを考えてはいけません。必要なものを省いたり、質を落としすぎたりしては本末転倒です。故人を偲ぶ気持ちを形にするため、必要なものを見極めることが重要です。

葬儀費用は項目が多く、素人が見積もりを見ても適正価格か判断するのは難しいものです。だからこそ、まずは心から信頼できる葬儀社を見つけることから始めるべきです。

  • どんなお葬式にしたいのか
  • 予算はいくらなのか

葬儀社には希望と予算を明確に伝え、納得できるまで何度でも相談して見積もりを依頼しましょう。丁寧な打ち合わせを重ねることで、無駄な出費を抑え、満足のいく葬儀が実現できます。

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また、費用を抑える上では斎場選びも重要です。公営斎場か民営斎場かによって費用は大きく異なります。葬儀社の料金プランや特典を比較し、それぞれのメリット・デメリットを検討することが、賢い選択につながります。

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  • この記事を書いた人

浅田 尚行

「終活を身近に」を目標に掲げ、ライフエンディングに関するあらゆる疑問や不安を解消し、メリットやデメリットを分かりやすくお伝えすることで、新たな一歩を後押ししています。誰もが安心して未来を考えられるよう、わかりやすさと心に寄り添う情報提供を大切にしています。【資格:終活ガイド資格1級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士】

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