
「大人数での葬儀は感染症のリスクが心配」「できれば小規模な葬儀にしたい」と考える方が増えています。しかし、具体的にどのような葬儀を選べばよいか、迷う方も少なくありません。
この記事では、近親者のみで葬儀を行う場合の具体的な方法や流れ、費用について詳しく解説します。故人と心ゆくまでお別れができる、最適な葬儀形式を見つける手助けとなれば幸いです。
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家族葬におすすめの葬儀社ランキング【比較・口コミ】
家族葬は、近年多くの人々に選ばれるようになった葬儀の形態です。親しい家族や友人だけで故人を偲び、心温まる時間を過ごすことができるため、その需 ...
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近親者のみの葬儀には家族葬がおすすめ

近親者のみで執り行う葬儀には、「家族葬」が最もおすすめです。家族葬は、その名の通り家族や親族、ごく親しい友人など、限られた人数で故人を見送る比較的新しい葬儀形式です。
一日葬や火葬式とは異なり、通夜と告別式を両方行うため、伝統的な儀式を大切にしながらも、心温まるお別れができます。アットホームな雰囲気で、故人との最後の時間をゆっくりと過ごしたい方に最適です。
家族葬の特徴とは?

家族葬には、実は法律などで定められた明確な定義はありません。家族や親族、親しい友人など、ごく近しい間柄の人だけで行う小規模な葬儀の総称として広く認識されています。参列者の範囲に決まりがないのが特徴です。
一般的には通夜と告別式を行いますが、参列者が少ないため、一人ひとりが故人とゆっくり向き合える時間を持てるのが大きな魅力です。信頼できる家族葬の葬儀社と相談しながら、形式を決めると良いでしょう。
家族葬のメリット・デメリット

家族葬を選ぶ前に、その利点と注意点をしっかり理解しておくことが重要です。故人や遺族にとって最適な選択をするために、メリットとデメリットの両方を把握し、総合的に判断しましょう。
費用面や精神的な負担、周囲との関係性など、さまざまな側面から家族葬を検討することで、後悔のないお見送りができます。ここでは、家族葬の主なメリットとデメリットを具体的に解説します。
メリット:近親者のみで落ち着いたお別れができる
一般葬では、多くの参列者への挨拶や対応に追われ、遺族が心身ともに疲弊してしまうことが少なくありません。しかし家族葬なら、気心の知れた近親者のみで執り行うため、精神的な負担が大幅に軽減されます。
儀礼的な対応に時間を割かれることなく、故人との思い出を語り合ったり、静かに偲んだりする時間を十分に確保できます。アットホームな雰囲気の中で、落ち着いて最後のお別れができるのは大きなメリットです。
メリット:自由な形式で葬儀ができる
家族葬は一般葬に比べて、形式にとらわれず自由なスタイルで故人を見送れる点が魅力です。参列者が身内中心であるため、世間体を過度に気にする必要がなく、家族の要望を反映させやすくなります。
例えば、故人が好きだった音楽を流したり、思い出の品を飾るメモリアルコーナーを設けたりと、オリジナリティあふれる演出が可能です。故人らしさを大切にした、心に残るお別れの形を実現できます。
メリット:料理・返礼品も自由に選べる
一般葬では多くの参列者のために通夜振る舞いや返礼品を用意する必要がありますが、家族葬では柔軟な対応が可能です。必ずしも食事や返礼品を手配する必要はなく、家族の意向で決めることができます。
例えば、会食をせずに解散したり、故人行きつけのレストランで食事をしたりと、自由に選択できます。返礼品を用意しないという選択も可能で、こうした柔軟性が費用の節約にも繋がります。
メリット:費用が抑えられる
家族葬は参列者が少ないため、会場の規模を小さくでき、飲食費や返礼品費も削減できるので、一般葬に比べて葬儀費用を抑えやすいというメリットがあります。経済的な負担を軽減したい場合に適した選択肢です。
ただし、参列者が少ない分、いただく香典の総額も少なくなる傾向にあります。そのため、香典収入で費用をまかなうことを想定している場合は、自己負担額が思ったより減らない可能性も考慮しておく必要があります。
デメリット:参列者の選定でトラブルになる可能性
家族葬で最も注意したいのが、参列者の選定に関するトラブルです。「親しい人のみ」という基準は曖昧なため、どこまでの範囲を招待するかの線引きが難しく、後から「なぜ呼んでくれなかったのか」と不満を持つ方が出る可能性があります。
こうしたトラブルを避けるためには、訃報連絡の際に「故人の遺志により、葬儀は近親者のみで執り行います」とはっきりと伝えることが重要です。誰を呼ぶかについては、家族や親族間で十分に話し合って決めましょう。
デメリット:葬儀後の弔問対応に追われることがある
家族葬に参列できなかった方々が、後日自宅へ弔問に訪れるケースは少なくありません。一般葬であれば一度で済みますが、家族葬の場合は個別の弔問対応が必要になる可能性があります。
弔問客が日をずらして訪れると、その都度対応に追われることになります。葬儀後の諸手続きで忙しい時期に、遺族の負担が増えてしまう可能性があることは、あらかじめ理解しておく必要があります。
家族葬の流れ
家族葬の基本的な葬儀の流れは、実は一般葬と大きく変わりません。臨終からご安置、通夜、告別式、火葬までの一連の儀式を、小規模ながらも丁寧に行います。事前に流れを把握しておくと、いざという時に慌てずに行動できます。
ここでは、ご逝去から葬儀後までの一連の手順を分かりやすく解説します。一般葬との違いは主に参列者の規模であり、儀式そのものは伝統的な形式に沿って進められるのが一般的です。

家族葬の費用

家族葬の費用は、主に「葬儀一式の費用」「飲食費」「寺院費用(お布施)」の3つから構成されます。これらの費用の内訳を理解することで、予算に合わせた計画が立てやすくなります。
葬儀社によっては、プラン料金にどこまで含まれているかが異なるため、見積もりをしっかり確認することが重要です。特に小さなお葬式などでは追加料金が発生する場合もあるため注意が必要です。
- 葬儀費用
- 飲食費
- お寺に納めるお布施代
葬儀費用について
葬儀費用とは、祭壇、棺、遺影、斎場・火葬場の使用料など、葬儀を執り行う上で不可欠な設備や物品にかかる費用のことです。葬儀社のプラン料金として提示される中心的な部分となります。
飲食費について
飲食費は、通夜振る舞いや精進落としなど、参列者に提供する食事や飲み物にかかる費用です。参列者の人数によって大きく変動する費用であり、家族葬では会食を行わないことで、この部分を節約することも可能です。
お寺に納めるお布施について
お布施は、読経や戒名の授与に対する感謝の気持ちとして僧侶にお渡しする費用です。これは葬儀社に支払うものではなく、直接寺院にお渡しします。金額は菩提寺との関係性や地域によって異なります。
家族葬での平均費用は?
家族葬の全国的な平均費用は、およそ50万円から110万円程度が相場とされています。ただしこれはあくまで目安で、参列者の人数や葬儀の内容によって費用は大きく変動します。
例えば、親族のみで行う小規模な場合は40万円程度、親しい友人も招待する場合は70万円前後になることもあります。一般葬の平均費用が約100万円以上であることを考えると、比較的費用を抑えられる葬儀形式と言えます。
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家族葬はこんな方におすすめ

家族葬は、さまざまな要望に応えられる柔軟な葬儀形式です。費用を抑えたい、故人とゆっくりお別れしたい、形式ばった葬儀は避けたいなど、特定の希望を持つ方に特に適しています。
ご自身の状況や故人の遺志と照らし合わせ、家族葬が最適な選択肢であるかどうかを判断するための参考にしてください。以下のような考えをお持ちの方に、家族葬はおすすめです。
- 親族や故人と特に親しかった間柄の人だけで静かに見送りたい
- 参列者が少ないことが予想されるため、葬儀の規模を小さくしたい
- 小規模な葬儀でも、心を込めて丁寧に見送りたい
- 故人が生前に希望した形で、アットホームなお別れをしたい
家族葬は小規模であるため、遺族の意向を反映させやすく、納得のいくお別れの形を実現しやすいという利点があります。しかし、参列できなかった方々への配慮も忘れてはならない重要なポイントです。
最近では、生前に故人自身が「親しい人だけで見送ってほしい」と家族葬を希望するケースも増えています。故人の遺志を尊重することは、遺族にとっても大切な供養の形となるでしょう。
まとめ

この記事では、近親者のみで執り行う葬儀として人気の「家族葬」について解説しました。家族葬は、故人とゆっくりお別れができる心温まる葬儀形式ですが、メリットとデメリットの両方を理解することが大切です。
費用を抑えられ、自由度が高い一方で、参列者の選定や葬儀後の弔問対応など、注意すべき点もあります。家族や親族と十分に話し合い、故人にとっても遺族にとっても最善の選択をしましょう。
- 家族葬は近親者のみで行う小規模な葬儀の総称
- 形式にとらわれず、自由度の高いお見送りが可能
- 一般葬に比べて費用を抑えやすい傾向がある
家族葬は少人数だからこそ、故人一人ひとりに寄り添った、心温まるお見送りができるのが最大の魅力です。しかし、参列できなかった方への事後報告や弔問対応といった配慮も必要になります。
本記事で解説したメリット・デメリットを十分に比較検討し、ご家族にとって後悔のない、最適な葬儀の形を見つけてください。葬儀社選びも重要な要素なので、慎重に検討しましょう。