PR 葬儀の準備・基礎知識

葬儀費用の平均と中央値は?内訳と費用を抑えるコツを解説

「親の葬儀、一体いくらかかるんだろう…」と、費用の相場が分からず不安に感じていませんか。葬儀は頻繁に経験するものではないため、準備すべき金額の見当がつかないのも無理はありません。高額なイメージがあり、いざという時に慌ててしまうかもしれません。

この記事では、最新の調査データに基づいた葬儀費用の平均と、より実態に近い中央値をご紹介します。さらに、費用の内訳や形式ごとの相場、賢く費用を抑えるコツまで詳しく解説します。この記事を読めば、葬儀費用の目安が明確になり、漠然とした不安を解消して、後悔のないお見送りの準備ができます。

葬儀費用の平均と中央値はいくら?

最新の調査によると、葬儀費用の全国平均は約118.5万円から132万円、中央値は約76万円から93万円とされています。平均値は一部の高額な葬儀に影響されやすい一方、中央値はより多くの人が実際に支払っている金額に近い数値を示しています。

この金額の差は、葬儀の形式や地域性、参列者の人数など様々な要因によって生じます。平均と中央値の両方を理解することで、ご自身の状況に合わせたより現実的な予算を立てることが可能になります。なぜこれほどの差が生まれるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。

最新調査で見る葬儀費用の全国平均

近年の「第6回お葬式に関する全国調査」などによると、葬儀費用の全国平均は120万円前後で推移しています。これは、祭壇などの葬儀一式費用、飲食接待費、寺院費用などを合計した金額です。以前は約160万円を超えていましたが、小規模な家族葬が増えたことで相場は低下傾向にあります。

また、葬儀費用の全国相場には地域差も見られます。例えば、北陸地方では費用が高くなる傾向があり、一方で首都圏は比較的抑えめです。お住まいの地域の特性を把握することも、正確な予算を立てる上で重要になります。

より実態に近い葬儀費用の中央値

葬儀費用の平均値は一部の高額な事例に引き上げられがちですが、中央値を見ることで、より実態に近い金額を把握できます。調査によれば、葬儀費用の中央値は約76万円から93万円程度と、平均値よりも数十万円低い結果となっています。

特に、見積もり額と実支払い額を比べると、実際には追加費用が発生し、支払い額の中央値が高くなる傾向があります。これから葬儀を考える際は、この中央値をひとつの目安として準備を進めると安心でしょう。

平均値と中央値の金額に差がある理由

平均値と中央値に大きな差が生まれる主な理由は、金額の算出方法の違いにあります。平均値は全てのデータを合計してデータ数で割るため、数件でも非常に高額な葬儀が含まれると、全体の金額が大きく引き上げられてしまいます。

それに対して中央値は、データを金額順に並べた際にちょうど真ん中に来る値です。そのため、極端に高い、あるいは低い金額の影響を受けにくく、多くの人が選んでいる価格帯を示します。より一般的な葬儀費用を知りたい場合は、中央値を参考にすることをおすすめします。

葬儀費用の詳しい内訳を3つに解説

葬儀費用は、大きく分けて「葬儀一式費用」「飲食接待費」「寺院費用」の3つで構成されています。それぞれの費用が何を含んでいるのかを理解することで、見積書の内容を正しく把握し、どこを調整できるか検討しやすくなります。

これらの内訳を知らないまま話を進めると、後から想定外の出費に驚くことになりかねません。事前に各項目の役割と相場を把握し、納得のいく葬儀プランを組み立てましょう。

葬儀そのものにかかる葬儀一式費用

葬儀一式費用とは、お通夜や告別式など、儀式そのものを執り行うために必要な費用の総称です。具体的には、祭壇や棺、遺影、式場の使用料、寝台車や霊柩車といった車両費、そして司会進行などの人件費などが含まれます。

この費用は、選ぶ祭壇のグレードや棺の種類、式場の規模によって大きく変動します。多くの葬儀社では複数のセットプランを用意しているため、内容をよく比較検討することが大切です。

会葬者をもてなすための飲食接待費

飲食接待費は、お通夜の後の「通夜振る舞い」や、火葬後に行われる「精進落とし」といった会食の費用です。また、会葬者にお渡しする香典返しの品物代もここに含まれ、返礼品費用とも呼ばれます。

この費用は、参列者の人数に直接比例して変動するのが特徴です。参列者の人数をある程度予測しておくことで、飲食接待費の予算も立てやすくなります。

僧侶に渡す謝礼にあたる寺院費用

寺院費用とは、読経や戒名の授与に対するお礼として僧侶にお渡しするお布施のことです。この中には、読経料や戒名料のほか、僧侶に式場までお越しいただく際の「お車代」や、会食を辞退された場合の「御膳料」などが含まれます。

お布施は感謝の気持ちを表すものであり、明確な定価はありません。しかし、宗派やお寺との関係性によってある程度の目安は存在します。金額に迷う場合は、葬儀社や菩提寺に直接相談してみるのがよいでしょう。

葬儀形式ごとの費用相場を比較

葬儀費用は、どのような形式でお見送りをするかによって大きく異なります。近年は伝統的な一般葬だけでなく、家族葬や一日葬、直葬(火葬式)など、多様な選択肢があります。それぞれの特徴と費用相場を知り、故人や遺族の意向に合った形式を選びましょう。

ここでは、代表的な4つの葬儀形式を取り上げ、費用相場を分かりやすく比較します。ご自身の予算や希望するお見送りの形に合わせて、最適な形式を見つける参考にしてください。

各葬儀形式の費用相場の目安は以下の通りです。

葬儀形式 費用相場 主な特徴
一般葬 約144万円 親族や知人、会社関係者など多くの会葬者を招く伝統的な形式。
家族葬 約97万円 家族や親しい友人など、少人数でゆっくりお別れをする形式。
一日葬 約95万円 お通夜を行わず、告別式から火葬までを1日で執り行う形式。
直葬(火葬式) 約39万円 儀式を行わず、火葬のみを執り行う最もシンプルな形式。

親しい身内のみで行う家族葬の費用

家族葬は、家族やごく親しい友人など、限られた人数で執り行う小規模な葬儀形式です。参列者が少ないため、飲食接待費や返礼品にかかる費用を抑えやすく、家族葬の費用相場は約97万円となっています。最近の傾向として選ばれる割合が増えています。

アットホームな雰囲気で、故人とゆっくりお別れの時間を過ごせるのが大きな利点です。費用を抑えつつ、心のこもったお見送りをしたいと考える方に適した選択肢と言えるでしょう。

多くの会葬者を招く一般葬の費用

一般葬は、故人の友人や知人、仕事関係者など、生前お世話になった方々を広く招いて執り行う、最も伝統的な葬儀形式です。多くの会葬者をお呼びするため、広い式場や多くの飲食、返礼品が必要となり、費用相場は約144万円と最も高額になります。

社会的なつながりが広かった故人のお見送りや、多くの方に最後のお別れをしてほしいと考える場合に選ばれます。費用は高くなりますが、その分、香典による収入も多くなる傾向があります。

お通夜を行わない一日葬の費用

一日葬は、その名の通り、お通夜を省略し、告別式と火葬を一日で執り行う葬儀形式です。費用相場は約95万円で、家族葬と近い金額帯になります。通夜振る舞いが不要になるため、飲食接待費を抑えることができます。

遺族の高齢化などを背景に、時間的・体力的な負担を軽減したいという要望から選ばれることが増えています。遠方からの親族が多い場合や、日程を短縮したい場合に適した形式です。

火葬のみを執り行う直葬の費用

直葬(火葬式)は、お通夜や告別式といった宗教的な儀式を行わず、ごく限られた親族で火葬場へ向かい、火葬のみを執り行う最もシンプルな形式です。費用相場は約39万円と、他の形式に比べて大幅に抑えることができます。

儀式を省略するため、祭壇費用や式場使用料などがかからず、経済的な負担を最小限にしたい場合に選ばれます。とにかく費用を抑えたい方や、宗教儀式にこだわらない方にとって、直葬は有力な選択肢となるでしょう。

葬儀費用を賢く抑えるための6つのコツ

葬儀費用は決して安いものではありませんが、いくつかのポイントを押さえることで、負担を賢く軽減することが可能です。大切なのは、やみくもに費用を削るのではなく、必要な部分とそうでない部分を見極めることです。

ここでは、後悔しないために知っておきたい、葬儀費用を抑えるための具体的なコツを6つご紹介します。少しでも費用に関する不安を和らげ、心穏やかに故人をお見送りするための準備を進めましょう。

  • 生前に葬儀の事前相談をしておく
  • 複数の葬儀社から相見積もりを取る
  • 葬儀の規模や参列者の人数を見直す
  • 葬儀社の会員制度や割引を利用する
  • 国や健康保険からの補助金制度を活用する
  • いただいた香典を葬儀費用に充当する

生前に葬儀の事前相談をしておく

元気なうちに葬儀社へ事前相談をしておくことは、費用を抑える上で非常に有効です。いざという時に慌てて決めると、冷静な判断ができず、不要なオプションを追加してしまう可能性があります。事前に相談することで、じっくりと内容を比較検討できます。

また、自身の希望を伝え、見積もりを取っておくことで、家族の負担を軽減することにも繋がります。納得のいく葬儀を適正価格で執り行うために、生前の準備は欠かせません。

複数の葬儀社から相見積もりを取る

葬儀社を決める際は、必ず複数の社から見積もり(相見積もり)を取り、比較検討することが重要です。同じようなプラン内容でも、葬儀社によって料金設定は大きく異なります。サービス内容やスタッフの対応なども含めて総合的に判断しましょう。

最初から一社に絞らず、相見積もりを取ることで、地域の料金相場を把握できます。費用とサービスの両面で、最も納得できる葬儀社を選ぶための基本のステップです。

葬儀の規模や参列者の人数を見直す

葬儀費用は、参列者の人数に大きく左右されます。特に、飲食接待費や返礼品代は人数分だけ必要になるため、葬儀の規模を見直すことは費用削減に直結します。故人の遺志や家族の意向を尊重しつつ、本当に必要な規模感を考えましょう。

例えば、一般葬ではなく家族葬を選択するだけで、費用を大幅に抑えることが可能です。身の丈に合ったお見送りの形を考えることが、費用と満足度のバランスを取る鍵となります。

葬儀社の会員制度や割引を利用する

多くの葬儀社では、生前に加入できる会員制度(互助会など)を設けています。これらの制度を利用すると、祭壇費用が割引になるなど、様々な特典を受けられることが多く、一般価格よりも費用を抑えることが可能です。

年会費や積立金が必要な場合もありますが、葬儀費用の割引率が高いのが魅力です。もしもの時に備えて、会員制度や割引プランの利用を検討してみる価値は十分にあります。

国や健康保険からの補助金制度を活用

故人が国民健康保険や社会保険に加入していた場合、葬儀を行った人(喪主)に対して補助金が支給される制度があります。国民健康保険からは「葬祭費」、社会保険からは「埋葬料」という名称で、数万円程度が支給されます。

これらは自動的に支給されるものではなく、市区町村役場や勤務先への申請が必要です。申請期限が設けられているため、忘れずに手続きを行い、公的なサポートを有効に活用しましょう。

いただいた香典を葬儀費用に充当する

葬儀の際に参列者からいただく香典は、葬儀費用の負担を軽減するために役立てることができます。香典は相互扶助の精神に基づくものであり、遺族の金銭的な負担を少しでも軽くするという意味合いが込められています。

いただいた香典の金額やいただいた方のお名前をきちんと記録し、香典を葬儀費用に充てることで、最終的な自己負担額を減らせます。葬儀収支をエクセルなどで管理すると、お金の流れが明確になり安心です。

葬儀費用の支払いに関する注意点

葬儀費用の準備を進める上で、誰がいつ、どのように支払うのかといった点も事前に確認しておくべき重要な事柄です。特に、故人の資産を支払いに充てようと考えている場合は注意が必要です。いざという時に困らないよう、支払いに関する知識を深めておきましょう。

ここでは、喪主の役割や故人の預貯金の扱いなど、費用の支払いに関して特に注意すべき点を3つ解説します。お金に関するトラブルを避け、スムーズに手続きを進めるためのポイントを押さえておきましょう。

葬儀費用は喪主が負担するのが一般的

葬儀費用を支払う法的な義務者は定められていませんが、一般的には葬儀を主宰する「喪主」が支払うケースがほとんどです。葬儀社との契約も喪主名義で行うため、支払い責任者となるのが自然な流れです。

ただし、必ずしも喪主一人が全額を負担しなければならないわけではありません。兄弟姉妹など他の親族と話し合い、相続財産から支払ったり、費用を分担したりすることも可能です。

故人の預貯金はすぐに引き出せない

葬儀費用に故人の預貯金を充てようと考える方は多いですが、注意が必要です。金融機関は口座名義人の死亡を確認した時点で、その口座を凍結します。これにより、相続手続きが完了するまで、原則として預貯金の引き出しはできなくなります。

そのため、葬儀費用は喪主や遺族が一時的に立て替える必要があります。すぐに使える手元資金をある程度用意しておくか、口座凍結後でも一定額を引き出せる制度の利用を検討しましょう。

費用が払えない場合の対処法はある?

どうしても葬儀費用が払えないという状況に陥った場合でも、いくつかの対処法があります。まず、葬儀社によっては、クレジットカード払いや「葬儀ローン」といった分割払いに対応している場合があります。まずは葬儀社に相談してみましょう。

また、生活保護を受けているなど経済的に困窮している場合は、自治体の「葬祭扶助制度」を利用できる可能性があります。この制度では、必要最低限の火葬を行うための費用が支給されるため、諦めずに役所の窓口で相談することが大切です。

まとめ:葬儀費用の平均と中央値を知り備えよう

この記事では、葬儀費用の平均と中央値、その内訳、そして費用を賢く抑えるコツについて詳しく解説しました。葬儀費用の全国平均は約120万円前後ですが、より実態に近い中央値は約80万円から90万円程度と、両者には差があることをご理解いただけたかと思います。

葬儀費用は、形式や規模によって大きく変動します。大切なのは、事前に正しい知識を身につけ、複数の選択肢を比較検討することです。生前のうちから準備を始めることで、金銭的な不安を軽減し、心から故人を偲ぶお見送りを実現できるでしょう。

葬儀費用の平均と中央値に関するよくある質問

一般的な葬式にかかる費用はいくらですか?

最新の調査では、葬儀にかかる費用の全国平均は約118.5万円から132万円程度です。ただし、これはあくまで平均であり、実際には葬儀の形式や規模、地域によって金額は大きく異なります。

葬儀費用が払えないときはどうすればいいですか?

まずは葬儀社に相談し、分割払いや葬儀ローンの利用が可能か確認しましょう。また、経済的に困窮している場合は、自治体が費用を負担する「葬祭扶助制度」を利用できる場合がありますので、お住まいの役所に問い合わせてみてください。

一番費用のかからない葬儀方法は?

最も費用を抑えられる葬儀方法は、お通夜や告別式を行わず、火葬のみを執り行う「直葬(火葬式)」です。費用相場は約39万円程度からで、儀式にかかる費用を大幅に削減できます。

葬儀で僧侶に渡すお布施の相場は?

お布施は感謝の気持ちを表すものなので決まった金額はありませんが、一般的には戒名料を含めて20万円から50万円程度がひとつの目安とされています。菩提寺がある場合は、直接お寺に相談するのが最も確実です。

親の葬儀をしないという選択はありですか?

法律上、遺体は火葬または埋葬する義務がありますが、宗教的な儀式としての「葬儀(お葬式)」を執り行う義務はありません。そのため、火葬のみを行う「直葬」を選び、儀式をしないという選択も可能です。

  • この記事を書いた人

浅田 尚行

「終活を身近に」を目標に掲げ、ライフエンディングに関するあらゆる疑問や不安を解消し、メリットやデメリットを分かりやすくお伝えすることで、新たな一歩を後押ししています。誰もが安心して未来を考えられるよう、わかりやすさと心に寄り添う情報提供を大切にしています。【資格:終活ガイド資格1級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士】

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