エンディングノートと遺言書の違いは？エンディングノートに法的効力はある？

「エンディングノートと遺言書は同じもの」と誤解されている方も多いですが、両者は全く異なる役割を持っています。ご自身の思いを形にするための重要なツールです。

今回は、遺言書と比較しながら、エンディングノートがどのようなものか詳しくご紹介します。生前準備を検討されている方や、両者の違いを知りたい方はぜひ参考にしてください。

エンディングノートとは？

エンディングノートは、ご自身の人生を振り返り、未来への希望や願いを書き記すためのツールです。介護や葬儀、相続など、もしもの時に備えて大切な情報を残せます。

特に書き方のルールはなく、自由に記述したり、何度でも修正したりできる点が特徴です。ご家族が困らないよう、伝えたいことを整理しておきましょう。

エンディングノートについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

エンディングノートとは？書く理由やメリット・デメリットを紹介

「エンディングノート」と聞いて、まだ早いと思っていませんか？でも実は、これほど家族思いで、自分らしく生きるためのツールはありません。この記事 ...

続きを見る

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書は、目的や内容、法的効力などにおいて大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解し、適切に使い分けることが大切です。

ここでは、費用や記載内容、形式、開封のタイミング、そして最も重要な法的効力の5つの項目で、両者の違いを比較しながら詳しく解説していきます。

	エンディングノート	遺言書
費用	無料～2,000円前後	無料～数万円
書く内容	自由(多岐に渡る分野を書き込める)	決まっている(相続に関すること)
形式	自由	決まっている
開封するタイミング	自由	決まっている(家庭裁判所を通して開封)
法的効力	なし	あり

「費用」の違い

エンディングノートと遺言書では、作成にかかる費用に違いがあります。手軽に始められるものから専門家への依頼まで、選択肢は様々です。

エンディングノートは、市販のものであれば1,000円から2,000円程度で購入できますし、インターネット上には無料でダウンロードできるものもあります。

エンディングノート(終活ノート)は無料配布されている？入手方法を公開

市販のエンディングノートを購入して「自分が欲しかったものと違った」とならないためにも、まずは無料のエンディングノートから始めるのがおすすめで ...

続きを見る

一方、遺言書も自筆で書く場合は費用がかかりませんが、公正証書遺言などを専門家に依頼すると数万円の費用が発生します。初めての方でも簡単に作成できる遺言書キットも1,000円から2,000円前後で販売されています。

おすすめの遺言書キット5選｜それぞれの口コミも紹介【2025年最新】

終活中で遺言書をどうしようか悩まれている方は多いのではないでしょうか。遺言書は、弁護士など外部に作成を依頼すると数万円から数十万円の費用がか ...

続きを見る

「内容」の違い

エンディングノートと遺言書では、記載できる内容の範囲に大きな違いがあります。それぞれの目的に応じて、記述すべき情報を選びましょう。

エンディングノートは、自分のことや医療、介護、葬儀、財産に関する希望など、多岐にわたる分野を自由に書き込めます。家族への感謝の気持ちなども残せます。

一方、遺言書は書く内容が決まっており、主に財産の分配方法や相続に関する事項に限定されます。法的な効力を持つため、記載できる範囲も法律で定められているのです。

「形式」の違い

エンディングノートと遺言書では、作成する際の形式にも明確な違いがあります。これらは法的効力の有無に直結するため、非常に重要なポイントです。

エンディングノートには、特定の書き方や形式の決まりがありません。ご自身の思いを自由に記述でき、何度でも修正が可能です。エンディングノートの書き方は、自身の使いやすい方法で進められます。

一方、遺言書は法律で定められた厳格な形式に従って書く必要があります。形式に不備があると、遺言書として認められず、法的効力が失われる可能性があるため注意が必要です。

「開封するタイミング」の違い

エンディングノートと遺言書は、家族が内容を確認できるタイミングにも大きな違いがあります。それぞれの特性を理解し、適切に保管することが重要です。

エンディングノートは、書き手の意思でいつでも自由に開封できます。もしもの時だけでなく、介護が必要になった際など、ご家族が必要だと感じた時にいつでも参照可能です。

一方、遺言書は勝手に開封してはいけません。故人の死後、家庭裁判所での「検認」という手続きを経てから開封することになります。勝手に開封すると法的効力が失われる可能性もあるため、注意が必要です。

「法的効力」の違い

エンディングノートと遺言書における最も重要な違いは、「法的効力」の有無です。この点を理解しておくことで、それぞれの役割を正しく認識できます。

残念ながら、エンディングノートには法的な効力はありません。そのため、財産の分配や相続に関する「指示」や「指定」をしても、法的には強制力がない点に注意が必要です。

一方、遺言書には民法に基づいた法的効力があります。ご自身の意思を確実に反映させ、財産をしっかり分配したい場合は、必ず遺言書を作成するようにしましょう。

法的に有効な遺言書を作成したい方は、一度専門家に無料相談してみましょう。

まとめ：エンディングノートと遺言書を使い分けて未来に備えましょう

エンディングノートには法的効力がありませんが、ご自身の意思や希望を家族に伝える上で非常に重要な役割を果たします。遺言書と併用することで、より安心な未来を築けます。

もし将来、何らかの事情で自分の意向を伝えられなくなった時や、延命治療などの難しい決断を家族が迫られた時、エンディングノートは家族を支える大きな助けとなるでしょう。特に高齢者の方のエンディングノートは、ご家族にとって重要な情報源となります。

エンディングノートの作成には大きなデメリットがほとんどありません。まずは無料のものから気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

エンディングノート(終活ノート)は無料配布されている？入手方法を公開

市販のエンディングノートを購入して「自分が欲しかったものと違った」とならないためにも、まずは無料のエンディングノートから始めるのがおすすめで ...

続きを見る